知られつつある乳がんの怖さ

今年、大きな反響を呼んだドキュメンタリーの1つに「余命1ケ月の花嫁」があります。
24歳という若さで乳がんと闘った長島千恵さんの最期に密着したもので、若い女性を中心に注目を集め、映画化もされました。
末期がんの苦しい状態の中でも、千恵さんが取材を受けたのは、映像を通じて「若年性乳がんについてもっと知って欲しい。
若い人には自分と同じ思いを味わって欲しくない」。
という思いからだったといいます。
余命1ケ月という限られた時間の中で、家族や恋人、友人たちに支えられながら、ウェディングドレスを着るという夢を実現させ、自分を失 わずに笑顔を見せる千恵さんの強さに圧倒されました。
しかし一方で、こんなに若々しくて前向きな女性を、死に至らしめた乳がんという病気の怖さに驚きを覚えもしました。
「乳がんは熟年期の病気」「肥満な女性がかかるもの」というイメージだったのに、千恵さんはまだ20代前半。
スリムなスタイルで健康的な体つきに見えたからです。
乳がんは、私にも無関係な病気ではないかもしれない。
そう思った同年代の女性は多かったようです。
映画はヒットし、それと同時に行われた乳がん検診キャラバンには、多くの若い女性がつめかけました。
テレビや雑誌でも、乳がんの自己検診の方法が特集されることも増えました。
皮肉なことではありますが、千恵さんのはつらつとした笑顔が失われたというその事実が、多くの若い女性に乳がんの怖さを実感させるきっ かけとなったようです。

